これはもうグズグズしてはいられない
こんにちは。audibleをこよなく愛するきくらげです。
この記事では、ワタシがaudibleで聴いた本のあらすじや感想を綴ります。
今回は、オーディブルで聴いた沢木耕太郎【深夜特急1 香港・マカオ】
マイルールとして、他者の感想や解説、作品の時代背景、著者のバックボーンは極力調べずに、純粋に本から得た情報のみで感想を書いています。
自分の言葉で書きたいからね。それでは、いってみよー。
あらすじ
26歳の著者がインドからイギリスまで、バスで横断した紀行文。全6巻のうちの一巻で、日本を出発した後、香港〜マカオの旅を旅情豊かに語る。
旅のテーマはインドのデリーから、イギリスのロンドンまで、乗り合いバスで行くという、著者曰く酔狂な挑戦である。
一巻である本書は、スタート地点であるインドに着く前に、立ち寄った香港、マカオの記録が主である。
当初の計画では、香港は単なる通過点とし、滞在はほんの2.3日の予定だったが、香港の毎日お祭り騒ぎのような熱気に夢中になり、著者は何週間も滞在してしまう。
香港の熱気に疲れた著者は、次にポルトガル領マカオに向かう。マカオにはカジノがあり、今度は博打に夢中になる。

「感想」圧倒的な没入感!!
- 読後感は圧倒的な没入感を味わったと言いたい!ナレーターである斉藤工さんの渋い声が本書の持つ、時に陰鬱で、時に内省的な雰囲気に合っている。合っているのだ。普段は、audibleの再生スピード1.5倍から1.8倍程度で聴くのだが、本書は1.0倍で聴いた。それだけ、この声質を損なわずに聴きたくなったのだ。
- 旅のスタート地点について、現代に生きるワタシとしてはなぜインドから?台湾とかじゃなくて?と思ってしまうが、当時70年代はビルマが鎖国体制だったとかで通れなかったようだ。
- 香港滞在中の著者は実に多くの人々と話し、感動したり、驚いたり、怒ったりしている。表面的な観光では見ることのできない当時の香港の光と影をワタシ達に見せてくれる。
著者の人間に対する好奇心が特別に強いのだろうなと感じる。だからこそ本書は旅で出会った人々の感情の機微、気性をくっきりと描き出しているのだと思う。
- マカオでの手に汗握る博打、加熱する博打打ちの心理の描写は、まるでギャンブル本を読んでいると錯覚するほどの力強さがあり、読んでいるこっちも勝ち負けに一喜一憂してしまった。
印象に残った言葉
昔からシルクロードと言うくらいだから、
今もきっと道があり、道あるところにラクダおり、
ラクダの代わりに自動車が走り、バスも同じ自動車である以上、
どうして乗り合いバスが走っていないと言えようか。
どこの国の若者だって、
好きな女と寝る部屋にはいつも不自由しているものなのだ。
おわり
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